スタッフの営業力アップ法 その1.アプローチ(前編)

こんにちは。
不動産会社の管理を増やすプロフェッショナルの新井昭光です。

前回まで、数回に分けてリーシング力を強くするための「ネット集客」の方法を説明しました。
集客ができたら、今度は契約を決める必要がありますね。

そこで、本日からは「営業力アップ」がテーマです。
リーシング力が強くなることによって、管理物件の入居率を高く維持できます。

「営業力アップ」のお話は3つのステップで進めていきます。
「アプローチ」と「プレゼンテーション」と「クロージング」です。

3つの中でも、今回お話しする「アプローチ」が一番重要です。

これが上手くいけば「プレゼンテーション」はスムーズに進みます。「クロージング」は不要になるかもしれません。
案内した時に、お客様は決めている状態になっているのです。

では本題に入りましょう。
「アプローチ」は、2つのステップで成り立っています。
これは、ひとつひとつが土台になって積み重なっています。
下の土台がしっかりしていないと、上の方で崩れてしまう・・・・
そんな関係です。

一つ目は「好意や権威や信頼を感じてもらう」

二つ目は「お客様の情報収集」です。

前編では、一つ目の「好意や権威や信頼を感じてもらう」をご説明しましょう。

人は、会った時の第一印象が大きく左右するのはご存知ですね。
最初は「見た目が9割」と言われます。

この第一印象が悪いと、挽回するのが大変です。「その日のうちに即決」が前提の賃貸仲介では致命傷となります。だから、最初の「出会いの数分」で決まると言っても「大げさ」ではありません。
最初の出会いとは「あいさつ」です。

お客様は、一般的な不動産会社の営業スタッフの「礼儀作法」について、どんなレベルを求めているでしょうか。
大して期待はしていないでしょう。
一方で、帝国ホテルのスタッフの「礼儀作法」については、どんなレベルを期待しているでしょうか。
「さすがに日本有数のホテル」というレベルを望んでいるはずです。

だから、帝国ホテルでは「極上のあいさつ」をして当たり前と思われますが、
不動産会社が「しっかりした綺麗なあいさつ」をすれば「ここはスゴイな」と思っていただけます。
お客様からの第一印象をよくするには「カンタン」な方法ですよね。
でも、ここを「ないがしろ」にしている会社や営業スタッフが多いと思います。

ぜひ、「しっかりした綺麗なあいさつ」を練習してください。

お客様は、あなたに対して、最初は警戒感や不信感を抱いているものです。
営業と見れば「売り込まれまい」と、無意識でも身構えています。
いまの世の中は、ネットでもテレビでも、油断すると「売り込まれて」しまいますから、知らず知らずに用心しています。
まして、一生のうちに何度も行くことのない不動産屋ですからね。

その警戒感が解けないうちに営業的な行為にバンバンと出ると、お客様は殻にこもります。
無意識に、ガードを上げるのです。

まず最初は、

「この人は誠実そうだ」
「強引に売り込むタイプではない」
「知識も豊富にある」

という印象を与えたいのです。

さて、どのようにしたら「そのような」印象を与えることができるのか?
これは、分かりやすく言うと「好感をもたれること」です。
あなたを「好き」になってもらうことです。
そう考えれば分かりやすいです。
そして大原則・・・・

「人は、自分を好きになってくれる人を好きになる」

お客様から嫌われたければ、簡単ですね。
「なんだ、この客は・・・・いやな奴」と思えばいいです。
態度に明確に出さなくても、相手もあなたを同じように思いますから・・・

私も「あまり好きでない」不動産会社の社長さんがいますが、相手も100%私のことを好きではないですよ。会合で会ったとしても、目も合わせませんから(笑)。

人は自分と似ている人に親近感を覚えますね。
私は映画をよく見ますが(休みの日だと1日2〜3本。平日の夜も2日で1〜2本は見ます)、映画好きな人とだったら何時間でもお喋りしたい。
だから、お客様と共通の話題を探すのは「人間関係づくり」に有効です。

人は「褒められる」のも嬉しいものです。
私は研修が終わった時に、「100%お世辞」と分かっていても、「先生の話はすごく良かったです」と言われると嬉しいのです。
お世辞と分かっていても、「いくつ」になっても、褒められると嬉しいです。
「ほんの少しは本音が混じってるかも…」と期待するのが人間ですね。

赤ちゃんを抱いているお母さんには「可愛いですね。何ヶ月ですか?」と声をかけます。
それは礼儀です。
それが「何か月」であっても、「わぁー、可愛いときですねぇ」と声を1オクターブくらい上げて反応するのです。

でも本当は、「褒められる」より「自慢話を聞いてくれる」方が嬉しいです。
だから、直接的な「褒め言葉」より、「自慢話」を誘導できるようになったら、お客様との人間関係は、もっと深まります。

人はユーモアも好きです。「笑いは心の垣根を取り払う」と言いますから。

また、人は自分が求めていることで、知識が豊富な人を無条件で信頼します。

権威もです。
私たちが初めて会ったお医者さんの勧める薬を平気で飲んだり、注射針を刺されるのを容認するのは、「権威」を感じているから。

幸いなことに、賃貸仲介の営業は「自分のリング」で仕事ができます。
お客様は、あなたの職場か、あなたがよく知っている物件まで、足を運んでいただけます。
訪問営業や売買営業のように「相手のリング」に立つことはありません。
この優位性は徹底的に活用すべきです。

あなたの接客カウンターを、出来る限りあなたに好意や権威を感じていただけるグッズで埋めましょう。
表彰状や修了証があるなら飾るべきです。家族の写真もよいでしょう。
お客様からの「お礼状」や、契約後に一緒に撮った写真など、その気になれば手に入れることもできますね。

さて、お客様に「心のガード」を下げていただいたら、次は「お客様の情報収集」です。

次回、お話しいたします。お楽しみに。

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