こんにちは。
成果主義が進む不動産業界において、「どうすれば営業の質と量を同時に高められるのか」は永遠の課題です。とはいえ、あまりに堅苦しく目標管理をしても、チームが疲弊してしまうのが現実。そこで注目されているのが、ゲーム感覚で楽しく取り組める「営業コンテスト」の導入です。

今回は、その導入事例を紹介しつつ、不動産営業にどのように応用できるのかについてお話しします。
特に不動産営業職のみなさんのご参考になると嬉しいです。

営業コンテストの導入事例とその活かし方

営業コンテストと聞くと、「成績上位者だけが評価されるもの」というイメージを持つかもしれません。ですが、実際にはもっと自由で柔軟なスタイルで取り入れている企業も多くあります。
ここでは、不動産業以外の企業における導入事例をもとに、不動産営業にどのように活かせるのかを考えていきましょう。

モチベーションの向上と目標意識の強化

情報通信会社のA社では、年に2回、社内イベントとして営業コンテストを実施しています。期間中は「新規契約数」や「お客様満足度」など複数の評価項目が設定され、営業社員は自分の得意分野を活かしながら成果を競います。成績上位者には報奨旅行や商品券、副賞として特別休暇などが贈られるほか、全社表彰の場で名前が発表されるなど、達成感を味わえる仕組みが整っています。

注目すべきは、こうした報酬以上に「楽しみながら目標に取り組む」という社風が浸透している点です。例えば、コンテスト期間中は営業部門のフロアにランキングボードが設置され、仲間同士で順位を確認し合ったり、応援し合うような空気が自然と生まれています。結果だけでなく、プロセスそのものに価値を見出し、日常の営業活動が“ゲーム感覚”で前向きになる好事例といえるでしょう。

このように、コンテストは「勝つ人だけが報われる場」ではなく、「みんなでゲーム感覚で取り組める仕掛け」として捉えると、不動産営業の現場でも導入しやすくなるでしょう。「一番多くポスティングした人にはランチ券」など、小さな報酬や称賛で十分モチベーションは高まります。

新人育成とベテランのスキル継承

製造業B社では、部署をまたいだ混成チームで成果を競う営業コンテストを実施。ベテラン社員と若手が同じチームに入り、お互いのスキルや知見をシェアしながら一緒に戦略を練る形式にしています。

この「協力しながら競う」スタイルは、不動産営業にも応用可能です。例えば、接客トークや提案内容をチームで磨いて競うようなコンテストにすると、自然とロープレやナレッジ共有の文化も根づきます。「自分一人で戦う営業」から「チームで勝つ営業」へ。そんな前向きな空気が、ゲーム感覚で生まれてくるのです。

不動産営業にこそ営業コンテストがオススメな理由

なぜ今、不動産営業に営業コンテストの導入が必要とされているのでしょうか。その背景には、業界特有の課題と、成果主義が抱える落とし穴が存在します。
ここでは、不動産営業が営業コンテストを行うメリットとは何か、見ていきましょう。

属人化しがちな営業ノウハウをみんなでシェアできる

不動産営業では、ベテラン営業のやり方がブラックボックス化しやすく、新人が伸び悩む原因にもなっています。営業コンテストを通じて、どのようにして成果を上げたかを可視化する仕組みを整えることで、属人性を排除し、全員が学び合える土壌が生まれます。

例えば「今月は案内から成約までの所要日数を競う」「紹介客の成約率で勝負」など、テーマを細分化すれば、経験値に関係なく誰でも楽しんで参加できるはずです。勝ち負けよりも、ゲーム感覚でスキルアップできる環境づくりを目指しましょう。

提案型営業への転換にも役立つ

近年の不動産業界では、単に物件情報を提供するだけでなく、「どんな暮らしを提案できるか」が問われるようになってきました。営業コンテストを通じて、提案力やヒアリング力、接客スキルを磨く機会を設けることで、自然と“売り込まない営業”の質も高まっていきます。

例えば、ある不動産仲介会社では「接客トーク選手権」を実施し、プレゼン動画を全社で共有。上位者のトークは他営業の学びの教材となり、営業力全体の底上げにつながっています。このように「ちょうどいい営業コンテスト」が理想的ですね。

チームで取り組むからこそ得られる成長と一体感

不動産営業は、個人プレーになりやすい業種です。一人の営業担当が物件紹介から契約までを一貫して行うことが多く、どうしても「自分の数字だけを追う」傾向が強くなりがちです。しかし、営業コンテストを“チーム対抗”の形式で実施することで、こうした属人化の課題を乗り越えるヒントが生まれます。

例えば、若手とベテランを混在させたチームを編成し、それぞれが得意分野を持ち寄って成果を競うようにすれば、自然とノウハウの共有や相談が活発になります。新人は実践の中で先輩のトーク術や提案力を学び、ベテランは指導することで自分のやり方を言語化する機会となり、双方にとって成長の場となるのです。

また、共通の目標に向かってチームで挑むことで、「自分のため」だけでなく「仲間のためにも頑張ろう」という気持ちが芽生えやすくなります。これが、職場の一体感やエンゲージメントの向上にもつながり、離職防止や営業力全体の底上げにも効果的です。

営業コンテストをチーム戦にすることで、単なる競争ではなく「協働を楽しむ文化」が育ちます。それは、不動産営業の現場において、これからますます求められる持続可能な成果の出し方といえるでしょう。

まとめ

営業コンテストは、決して「勝ち負け」だけを競う場ではありません。もっとライトに、遊び心をもって実施することで、学びや成長の機会として機能します。特に不動産営業の現場では、属人化の打破や提案力の強化、組織の一体感の醸成に大きな効果を発揮します。
最初は「月間チラシ配布ランキング」や「接客満足度ナンバーワン投票」など、小さなイベントからでも構いません。営業をちょっとした“遊び”に変えることで、やがてはチーム全体の成果向上につながっていくはずです。

まずは気楽に、楽しさを取り入れることから始めてみましょう。

みなさんの参考になれば嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。

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