
こんにちは。
全国で増加の一途をたどる空き家。2023年時点では900万戸を超え、いまや住宅の7戸に1戸が空き家という時代に突入しています(総務省「令和5年住宅・土地統計調査」より)。
かつては「住むための家」だった空き家が、今では「管理の手間と税金コストだけがかかる負担」として、多くのオーナーを悩ませています。
このような状況のなか、注目されているのは「空き家活用ビジネス」です。空き家は適切に活用すれば、立派な収益源に生まれ変わる可能性を秘めた資産です。
今回は、不動産営業職の方がオーナーに提案できる「空き家を活用した収益化ビジネス」について紹介します。
空き家は“使わないと損をする”時代に

空き家は放置していても固定資産税や修繕費などのランニングコストが発生します。さらに、「特定空き家」に指定されると、税の軽減措置が外れ、税負担が増えるリスクもあるため、早期の活用が求められます。
ここでは、空き家を活用したビジネスモデルの中でも、比較的取り組みやすく収益化しやすい代表的な活用方法を紹介します。
賃貸物件・シェアハウスとして活用する
空き家をリフォームし、賃貸住宅やシェアハウスとして貸し出すことで、安定した家賃収入を得られます。特に駅近や大学周辺などの利便性が高い立地なら、単身者や学生をターゲットにしたシェアハウス展開も有効です。物件の状態によっては、一定のリフォーム費用が必要になりますが、周辺の賃料相場や需要に応じた活用提案ができれば、費用対効果の高い選択肢となります。
宿泊施設(民泊)として活用する
空き家を改修し、観光客向けの民泊施設として貸し出すビジネスも人気です。特にインバウンド需要の回復により、都市部や観光地周辺の物件は高収益が期待できます。空き家にデザイン性や地域性を取り入れ、他にはない宿泊体験を提供することで、長期的な稼働を狙うことも可能です。
カフェ・オフィス・店舗として貸し出す
リノベーションによってカフェや小規模なオフィス、雑貨店などに生まれ変わることも可能です。クリエイティブ業種や地域創業支援との親和性が高く、空き家再生のモデルケースとして注目されることもあります。
物件の状態が悪く、活用が難しい場合には、建物を解体して土地活用に切り替えるという選択肢もあります。駐車場やトランクルーム、太陽光発電といったモデルは、初期投資を抑えながら土地を有効利用する手段として有効です。
住宅用地の特例が外れることで固定資産税が上がる点には留意が必要ですが、可能性の一つとして候補に入れておくのも良いですね。
不動産営業職が空き家活用ビジネスで果たす役割とは?

収益化プランを知るだけでは営業の武器にはなりません。営業担当者としては、空き家オーナーの不安を解消し、実行可能なビジネスモデルとして提案できることが重要です。
ここでは、営業職が求められている具体的な役割を紹介します。
空き家オーナーの「相談相手」になる
空き家オーナーは、「売ったほうがいいのか」「貸せる状態なのか」ということの判断がつかないことが多いため、営業担当者が中立的な視点で選択肢を提示し、状況に応じた提案をすることで信頼を得られます。
専門事業者との橋渡し役になる
空き家活用には、リフォーム業者・設計会社など、複数の事業者との連携が欠かせません。また、工事が必要な場合は、近隣住民にも理解を得る必要があります。
地域内の信頼できる事業者とのつながりを持っている営業担当者は、まさに「まちの不動産コーディネーター」としての役割もあり、オーナーは安心して進めることができますね。
補助金や制度活用のアドバイザーになる
多くの自治体では、空き家の活用に対する補助金や税制優遇制度を設けています。例えば、リフォーム費用の一部を助成してくれる補助制度を活用できるということであれば、オーナーの心理的・金銭的な負担を軽減することができます。
不動産営業職がこれらの情報を把握し、適切なタイミングでオーナーに伝えることは、提案の説得力を高める大きな武器となります。
まとめ
不動産営業職としては、空き家活用のノウハウを身につけることで、新たな切り口を増やし、営業としての幅を広げることができます。
空き家の増加は、日本の不動産市場にとって大きな課題である一方、物件の可能性を見抜き、活用へと導くことが、これからの時代に求められる不動産営業の一つの在り方になるでしょう。
みなさんの参考になれば嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。