オーナーが魅力を感じる管理メニュー

こんにちは。
不動産会社の管理を増やすプロフェッショナルの新井昭光です。

今回は「オーナーにとって魅力的な管理メニュー」について、2回に分けてお話ししていきます。

私がはじめて賃貸管理の仕事をしたのは、昭和60年の3月。
管理物件は3棟30室のアパートしかなく、賃貸管理の右も左も分からない状態から、とりあえず「管理業務」を担当しました。

私はよく分からないながらに漠然と、
○家賃を集金してオーナーに届ける
○トラブルやクレームを処理する
○退去に立会い、敷金精算をする
○更新を家主と借主に通知し契約処理をする
○日常の清掃を行う
というものが、「管理業務」だと理解していました。

当時はまだ「賃貸管理」という概念が不動産業界の中で確立されておらず、賃貸管理の本なんてありませんし、当然教えてくれる人もいません。
管理メニューなんてものはありませんでしたが、強いて言えば、最初に掲げた5項目が当時の私たちの「管理メニュー」です。

それから37年以上が経ちましたが、現在、多くの賃貸管理会社が掲げている管理メニューは、
37年前に我々が、”何となく”始めたメニューとほとんど変わっていません。

それどころか、そもそもメニューすらないという管理会社もあります。

私がコンサルタントに行くと、そもそも管理メニューがないという賃貸管理会社が結構あります。

担当する業務が全く決まっていないというわけではありません。なんとなくは決まっていますが、明確に内容と料金を説明できるような、誰にとっても分かりやすいメニューが用意されていないのです。オーナーの希望によって選べるコースも用意されていません。

でも、今まではそれで何も不都合はなかったのです。
だって、”自然と”管理物件が増えたのですから。

でもこれからはそうはいきません。今までのように、何となく管理を増やしたいんじゃないんです。
明確な目標を持って、管理物件数を増やそうと決意したんです。

何らかの手法を使って管理を増やす!と決めたのですから、管理メニューがなかったら始められませんよね。

であれば、この際、今ある管理メニューの見直しをしてみてはどうでしょうか。
いや、もしかしたらイチから構築し直した方がいいかもしれませんね!

私からメニューを見直す際のヒントをひとつお伝えします。

25年前を振り返ってみると、管理は「オーナーの代行業務」でした。
オーナーさんに説明するときに、「わずらわしい作業は我々が代わりに行います」と伝えていたのです。

入居率もそこそこで、家賃も年々上がっているときなら、家賃の5%で代行してくれるという管理メニューは、オーナーにとって魅力があったと思います。その分、楽が出来ますし、他の仕事に専念できるのですから。

ですが、25年も経った現在は「代行業務」だけでは魅力はありません。
オーナーの収入が減り続けているときは、たとえ家賃の5%といえども、大きな負担に感じるでしょう。
オーナーは単なる「代行」ではなく、かつてとは比べものにならないくらい厳しい環境となった賃貸経営のアドバイスや提案をしてくれる「管理」を求めています。

それを、「収益改善提案型の賃貸管理」と呼んでいます。

これからは空室を減らしたり、家賃の値下がりを抑えたり、無駄なコストを防ぐなど、オーナーの収益改善に繋がるアドバイスができる管理メニューを掲げてはどうでしょうか。

「そんなこと出来るのか?」と思うかもしれませんが、この「14の講座」を社内に落とし込んでいただければ、オーナーの期待に応えられる管理メニューが実現できるはずです。

そうすれば、オーナーのところへ行ったとき、
「賃料収入から5%をください」ではなく、「家賃の5%を払っていただけたら、収益改善します」と言えるようになります。

まず最初にやることは、あなたの「管理メニュー」にタイトルを付けることです。

たとえば、
「オーナーの収益を改善する賃貸管理」
「入居率を高く維持する賃貸管理」
「物件の魅力を保ち、オーナーの資産価値を高める賃貸管理」
などなど。

今すぐに実現できなくてもいいです。
実際にオーナーを訪問するときに、間に合っていなくてもいいです。

あなたが目指している管理はどんなものか?を自分自身でしっかり考えることが一番重要です。

イメージしづらいならば、別の角度から考えてみましょう。
賃貸経営をしているオーナーは「7つのリスク」と戦っています。

そのリスクとは、

1.空室の増加
2.家賃の値下がり
3.家賃の未回収損失の増加
4.修繕費用負担の増加
5.室内での事件や事故
6.地震などの天災・地変
7.高額な立ち退き料
の7つです。

そして、自問自答してみてください。
あなたの「管理メニュー」は、7つのリスクのうち、どれをゼロにしたり、緩和することができますか?

上記のリスクを回避したり、被害を最小限に抑えることのできる賃貸管理が、これからの「オーナーに魅力的な賃貸管理」です。

難しいと思ってサジを投げないでくださいね。
このコラムには、そのためのヒントが沢山あるはずです。

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