
こんにちは。
不動産業界では、人材不足や世代交代の課題が年々深刻になっています。特に、売上を支えてきたベテラン層が第一線を退いたあと、誰が会社を牽引していくのかという点は、多くの経営者や管理職にとって避けて通れないテーマです。
今回は、不動産営業職の方に向けて、将来の幹部候補を育てるための次世代リーダー育成プログラムについて、活用のポイントや視点を解説します。
人生から逆算する「次世代リーダー育成」という考え方

次世代リーダー育成を考える際、スキルや役職といった「会社側の都合」から入ってしまうことは少なくありません。しかし、育成の出発点はあくまで「その人がどのような人生を歩みたいのか」という問いにあります。
仕事は人生の一部であり、切り離して考えることはできません。どのように生きたいのか、その生き方の中で仕事がどのような役割を担うのかを整理することが、長期的に活躍できるリーダーを育てる土台になります。
人生を考えることが、キャリア形成の出発点になる
キャリアとは、昇進や役職の積み重ねだけを指すものではありません。価値観や経験を重ねながら、自分なりの選択を積み上げていくプロセスそのものです。
不動産営業の仕事は、お客様の人生の大きな節目に関わる責任の重い仕事です。だからこそ、「何のために働くのか」「この仕事を通じて何を成し遂げたいのか」を言語化できているかどうかが、成長の質を大きく左右します。
自身の人生観が整理されていないままでは、目の前の成果に一喜一憂しやすくなり、壁にぶつかったときに踏ん張りがききません。一方で、自分なりの軸を持っている人材は、環境が変わっても主体的に判断し、行動し続けることができます。次世代リーダー育成においては、こうした「自分のキャリアを自分の言葉で語れる状態」をつくることが大切と言えます。
個人の価値観と会社の方向性を重ねる育成が、定着と成長を生む
育成がうまくいかない背景には、個人の価値観と会社の方向性がすれ違っているケースが少なくありません。制度や研修を整えても、本人が目指す人生と会社のビジョンが噛み合っていなければ、成長は一時的なものにとどまってしまいます。
次世代リーダー育成では、会社が理想像を一方的に押し付けるのではなく、対話を通じて本人の価値観や強み、将来への希望を丁寧に引き出していく姿勢が欠かせません。育成とは「管理」ではなく「伴走」と捉え、正解を与えるのではなく、問いを投げかけ、考える力を育てていく…。その積み重ねが、会社の方向性を理解したうえで、自分なりの意思決定ができる人材を育てます。
個人の人生と会社の未来が重なったとき、次世代リーダーは単なる役職者ではなく、組織を支える存在へと成長していくはずです。
役割別に考える「次世代リーダー育成プログラム」

リーダー育成と一言で言っても、立場や役割によって求められる力は大きく異なります。不動産会社では、大きく分けて幹部候補、店長候補、営業スタッフという3つの育成レイヤーを意識することが重要です。
それぞれの育成レイヤーについて見てみましょう。
【幹部候補】経営視点を持つ人材の育成
幹部候補として育成する人材には、現場での成果だけでなく、経営全体を俯瞰する視点が求められます。売上や成約率といった数字の背景にある構造を理解し、長期的な視点で意思決定ができる力が必要です。
現場経験だけでは身につきにくい経営感覚は、経営会議への同席や事業計画への関与など、実践の中で育まれます。そして、将来の管理職の候補として、会社の未来を自分ごととして考える経験を積ませることが、幹部育成の要になります。
【店長候補・営業スタッフ】役割によって変わる育成
店長候補の育成では、人のマネジメントが中心になります。自分が成果を出すことと、チームとして成果を出すことはまったく別物です。数字管理だけでなく、部下の成長を支援し、チーム全体の雰囲気を整える力が求められます。感情のコントロールや対話力は、店長として欠かせない要素です。
一方で、営業スタッフ育成の軸は、お客様にどのように向き合うかにあります。商品知識やトークスキル以上に重要なのは、信頼関係を築く姿勢です。「売る営業」ではなく、「選ばれる営業」になるためには、日々の現場での振り返りと丁寧なフィードバックが欠かせません。
まとめ
次世代リーダー育成は、短期的な成果を求める取り組みではありません。人生観を土台にしながら、役割ごとに必要な視点を整理し、時間をかけて育てていくことが大切です。
これまでのように「売れる営業を育てる」だけでは、組織の持続的な成長は望めません。これから求められるのは、将来の幹部や管理職を見据えた、次世代リーダー育成という視点です。
不動産業は、商品そのものではなく「人」が価値を生み出すビジネスです。だからこそ、人材育成の質は、そのまま会社の未来を左右します。
制度や研修を整える前に、まずは「どんな人材を、どのような人生の中で育てたいのか」を考えることが、次世代リーダー育成の出発点になると言えるでしょう。
今回の記事が、みなさんの参考になれば嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。




