こんにちは。
不動産会社の管理を増やすプロフェッショナルの新井昭光です。
今回は、前回に続き「営業力アップ」がテーマです。
リーシング力が強くなることによって、管理物件の入居率を高く維持できます。
「営業力アップ」のお話は3つのステップで進めていきます。
「アプローチ」と「プレゼンテーション」と「クロージング」です。
今回は、ステップ2の「プレゼンテーション」についてお話ししていきます。
本記事は後編です。前編をご覧になっていない方はこちら
では、本題に入りましょう。
後編では、前編と違う角度から説明します。
まず、賃貸物件には「特徴」と「利点」があります。
説明するときは「特徴」を並べ立ててはいけません。
「利点」で説明します。
例えば、ある賃貸マンションの特徴は以下の通りです。
・駅から6分
・鉄筋コンクリート造
・コンビニが1階で営業中
・角部屋
・バルコニー南向き
・〇〇小学校の学区内
・オートロックつき
・宅配ボックスつき
もし私が、10組のお客様の前で合同説明会のようにまとめて説明するとしたら、これらの「特徴」を並べ立てて、順番に説明するしか術(すべ)はありません。
それぞれのお客様が「どんな事情で」部屋探しをしているのか、私は知らないからです。
いろいろなニーズを抱える大勢に向けてのプレゼンテーションでは、このように「焦点がぼやける」のは仕方ありません。
でもあなたは、目の前のお客様から「情報収集」しているので、「その事情」をよく知っているはずです。
だったら「特徴」ではなく、そのお客様だけが感じる「利点」で説明できます。
駅から遠くに住んでいることに不便を感じているお客様なら、「朝の貴重な10分を有効に使えます」と説明できます。
アパートで隣の居住者に悩んでいるお客様なら、「鉄筋コンクリート造で角部屋なので、気兼ねなく暮らせます」と説明できます。
ジメジメした環境が子供の健康に悪いと感じているお客様なら、「お日様をいやというほど拝むことができます」と説明できます。
このように物件の説明は、「特徴の並べ立て」では効果が限られます。
自分にとって興味のないものも含めていっぺんに説明されても、お客様にはメリットは伝わりません。
物件の説明は、お客様が感じる「利点」を、具体的な事象で説明するのが効果的なのです。
この「説明」を、現地に行く前のお店で物件資料を見せている段階で行います。
お客様からの反論も、この段階で処理します。
「エアコンがついてない」とか
「所要時間が希望より5分余計にかかる」とか
「築年数がもっと浅いものがいい」とか
もともとお客様の希望に対して「100点満点」の物件はありませんから、不満を挙げようと思えば「いくつも」出てきます。
もしこの不満がお客様に付けてもらった優先順位の1番2番だったら、物件の選び方が間違っています。これでは、案内しても決まりません。
もし、最初から「ある管理物件」に特定して決めてもらいたい場合は、その物件が不利になるような優先順位は最初から付けさせません。そのように誘導していきます。
だから、ここで出てくる反論は、3番目以降の「諦めてもらう」条件か、あるいは「取るに足らない」条件です。
そう言えるように、「アプローチ」の段階で情報収集して、その結論を誘導したのです。
「アプローチ」の講座を思い出してください。
現地には、物件資料に間違いがないか、お客様が抱いたイメージと大きな違いがないか、を「確認」にいきます。
併せて、これから暮らす街を見ていただきます。生活に必要な周辺施設や道などです。
現地では、特に利点について、お客様の感想を聞いて「再確認」していただきます。
ご自分の口で「Yes」を言っていただくのです。
人は、頭で「いいな」と考えているのと、実際に言葉で「いいですね」と発言するのとでは、ご自身の「気に入り度」の確認加減が違います。
だから、現場でどんどん質問します。
そのときは、
「広いリビングがご希望でしたが、いかがですか?」と聞いてはいけません。
「いかがですか?」って、まだ住んでもいない人に聞いても、答えられるワケがありません。「ああ。いいですね・・・・」という中途半端な答えが返ってくるだけです。
「今のお部屋は8畳のDKなので、欲しいソファが置けないと仰っていましたが、この広さなら置くことが出来そうですか?」と聞けば、
「はい。この広さならあのソファを置けます」と答えてくれます。
たとえ、「はい」だけでも、あとのセリフは頭の中で言っているはずです。
このように「必要性」「メリット」「希望を叶える」部分に、具体的な言葉で質問をして、「Yes」を多くもらいます。
お客さまの反応を見ていると、例えば「嬉しそうな」顔をしたり、テンションが上がったり・・・・・・
「これは、もう決めたな」と感じることがあるはずです。
そのときは、簡単な質問で「プレゼンテーション」を締めくくりましょう。
「ご入居は、来月早々になりますが、それで大丈夫ですか?」
「3階の角部屋と5階の真ん中のお部屋と、どちらがいいですか?」などです。
このとき、
間違っても「決めますか?どうしますか?」と聞いてはいけません。
最終決断は重いです。
これでは「よく考えます」という答えを誘発します。
もっと軽い決断で、お申込みまで誘導するのです。
これなら「クロージング」は不要ですね。
ここでお客さまに抵抗があれば、はじめて「クロージング」です。
次回をお楽しみに。