こんにちは。
不動産営業一筋のあきらです。
不動産会社に約12年間勤め、売買・賃貸仲介、新築戸建販売、賃貸管理、売却査定等、あらゆる業務に携わってきました。
1,000人以上にわたるお客様対応や、店長や営業部長として店舗を任されていた経験から、不動産営業のノウハウを皆さまに伝えていけたらと思っています。
「他の営業と差別化を図るために資格を取得したいが、どれがいいのかわからない」というお悩みを持っていませんか?不動産売買営業は資格がなくても業務をこなせる職種ですが、資格を取得すれば、お客様からの信頼をさらに高められるでしょう。
今回は不動産売買営業が取得するべき資格を3つ紹介します。資格を取って付加価値を高めたい不動産売買営業の方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
宅地建物取引士
取得するべき資格の1つ目は「宅地建物取引士」です。宅地建物取引士は不動産業界で最も有名な資格ですが、意外と取得していない不動産売買営業が多いです。そのため、宅地建物取引士を所持している営業は、不動産のプロとしてお客様から信頼を得られるでしょう。
不動産売買営業から見る宅地建物取引士を取得するメリットの1つは、不動産取引を1人で完結できる点です。宅地建物取引士の独占業務として以下が挙げられます。
- 重要事項説明書面への記名と押印
- 重要事項説明書面の内容の説明
- 37条書面への記名と押印
不動産取引を完結させるためには上記の業務が必要不可欠のため、これらの業務を他の営業の手を借りずに、自分のペースで行えることは大きなメリットです。自分1人で業務を完結できることにより、効率的にスケジュールを組めるのです。
また、宅地建物取引士の資格により、お客様の信頼を得やすいこともメリットです。営業が差し出す名刺に宅地建物取引士の資格が記載されていれば、第一印象が良くなり不動産のプロとして話を聞いてもらいやすくなるでしょう。
令和5年度の宅地建物取引士試験の概要は以下のとおりです。
- 受験者数:233,276 人
- 合格者数:40,025 人
- 合格率:17.2%
参考:一般財団法人不動産適正取引推進機構「令和5年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」
宅地建物取引士は、例年15〜18%程度の合格率です。難易度が高く年に1回しか試験が行われないため、十分な準備が必要な資格といえます。
資格を取得するための時間は、300〜500時間といわれており、遅くても半年前から勉強をスタートさせると良いでしょう。仕事をしながら取得を目指すのであれば、スキマ時間に勉強できるWEB講座に入会することをおすすめします。入会には費用がかかりますが、1年で資格を取得しそれを活かして営業活動をこなせば、十分に元が取れるでしょう。
ファイナンシャルプランナー
不動産売買営業におすすめの資格2つ目はファイナンシャルプランナーです。ファイナンシャルプランナーは、保険や税金、資産運用に関する内容や不動産の知識も高められる資格です。大きなお金が動く不動産取引において、お金のプロであるファイナンシャルプランナーは、お客様へさまざまな角度からアドバイスできる資格といえます。
不動産購入を検討しているお客様は、購入することへの不安を少なからず持っています。その際に、不動産売買営業が物件の提案だけでなく、ファイナンシャルプランナーの知識を元に人生設計のお手伝いをすることで、購入意欲を向上させることができるでしょう。さらに、保険や資産運用のアドバイスをすれば、他の営業にはない付加価値を提供でき、差別化を図ることもできます。
ファイナンシャルプランナーには1〜3級がありますが、不動産売買営業に役立てるためには2級以上の取得を目指しましょう。2級を受験するためには「3級に合格する」「FP業務に関して2年以上の実務経験を積む」「日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了する」の条件がありますが、「3級に合格する」ことが2級の勉強に役立つためおすすめです。
令和6年1月日本FP協会の試験概要は以下のとおりです。
■2級
学科試験
- 受験者数:26,563人
- 合格者数:10,360人
- 合格率:39.00%
実技試験
- 受験者数:24,632人
- 合格者数:15,055人
- 合格率:61.12%
参考:日本FP協会「2024年1月実施3級FP技能検定試験結果」、「2024年1月実施2級FP技能検定試験結果」
このように、宅地建物取引士と比べるとファイナンシャルプランナー2級の合格率は高めです。勉強時間は一般的に150〜300時間とされていますが、筆者は3級と2級の試験勉強を合わせて200時間程度でした。ファイナンシャルプランナーは、宅地建物取引士を取得していれば独学で十分取得できる資格です。
ファイナンシャルプランナーの知識を活用し、お客様のお金に関する不安や疑問を解消できれば、より多くの成約が実現できるでしょう。
賃貸不動産経営管理士
最後におすすめする資格は賃貸不動産経営管理士です。この資格を取得すれば、賃貸住宅のトラブルを未然に防いだり、賃貸住宅のオーナーに対して適切なアドバイスを提案したりできるでしょう。
不動産売買営業が賃貸不動産経営管理士を取得するメリットとして、賃貸経営が関係する投資物件の仲介に役立つ点が挙げられます。投資物件は、賃貸需要を見極めて物件を提案することが必要ですが、同時に取得後の賃貸経営についてアドバイスを送れば、投資物件を検討しているお客様に喜んでもらえるでしょう。賃貸経営の不安を取り除いた上でクロージングをかければ、成約率の向上が期待できます。
令和5年度試験の試験概要は以下のとおりです。
- 受験者数:28,299人
- 合格者数:7,894人
- 合格率:27.9%
参考:一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会「令和5年度賃貸不動産経営管理士試験の結果概要を発表」
合格率は宅地建物取引士より高めですが、一般的な勉強時間は100〜250時間とされており、しっかり準備しなければ合格することが難しい資格です。賃貸管理業務のプロである賃貸不動産経営管理士の資格を取得し、売買業務とは違う角度からのアドバイスを行ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、不動産売買営業が取得するべき3つの資格を紹介しました。取得をおすすめする資格として「宅地建物取引士」「ファイナンシャルプランナー」「賃貸不動産経営管理士」が挙げられます。これらの資格で得た知識により、購入・売却に不安を持っているお客様に安心材料を提供できます。お客様に安心してもらうことで、成約のチャンスがさらに広がるでしょう。
不動産の知識を深め、もう1段階上の不動産売買営業を目指したいという方は、この記事を参考に資格勉強に臨んでみてはいかがでしょうか。