こんにちは。
不動産会社の管理を増やすプロフェッショナルの新井昭光です。
今回は、前回に続き「営業力アップ」がテーマです。
リーシング力が強くなることによって、管理物件の入居率を高く維持できます。
「営業力アップ」のお話は3つのステップで進めていきます。
「アプローチ」と「プレゼンテーション」と「クロージング」です。
今回は、ステップ3の「クロージング」についてお話ししていきます。
では、本題に入りましょう。
クロージングは、「苦手意識」を持っている営業スタッフが多いステップです。
クロージングを「無理強い」とか「しつこい」とか「出しゃばり」だと思っているのです。
クロージングは「無理強い」をすることではありません。
お客様を、契約の決断へと誘導する行為です。
前提となるのは、お客様がその物件を「気に入っている」ということです。
「気に入っていない」物件を勧めたら、それこそ「無理強い」になってしまいます。
以前お話しした、「アプローチ」と「プレゼンテーション」は、
なるべく「クロージングをしなくても」決まるように積み上げた土台でした。
それらを通して、お客様があなたに好意や信頼を「少しでも」抱いていることが大事です。
それを無視していたら「物件の良さ」しか、決めてもらえる手立てがありません。
内見では、お客様がお部屋に求める「利点」を具体的に確認していただきました。
「住み替える理由がそこにある」と感じていただけるようなプレゼンテーションです。
「プレゼンテーション」の最終局面で、
お客様が感じる「利点」にスポットを当てた質問をするように書きましたね。
それらをお客様がどう感じたか、お客様自身の口で「Yes」を語ってもらいます。
この段階で、「3階の角部屋と、5階の真ん中のお部屋と、もし住まわれるとしたら、どちらがいいと思いますか?」などと聞いてもいいのです。
「やはり、角部屋です」と言っていただければ、「有難うございます。それではお部屋をすぐに止めておきましょう」と言って電話をかけ始める。
これを、お客様が止めなければ「申し込み決定」です。
クロージングは必要ありません。
ですが、現地で「決めきれない」お客様もいらっしゃいます。
この時点でお客様は、「あとでゆっくり考えよう」と思っているでしょう。
「今日は、このへんで失礼します」というお客様もいるでしょう。
でも、ここで帰してしまったらダメです。
まだ、「クロージング」をしていないのに、帰すワケにはいきません。
お客様が決めない理由を述べたとき、それを「反論された」と思う営業担当は多いようですが、私は反論とは思わずに「質問」と捉えるように指導しています。
「このお部屋に決めませんか」と言ったときに、「駅から遠いから」とか「予算がオーバーだから」とか「誰かに相談したいから」とか言われることがあると思いますが、それは「だから契約を決めない」と言っているわけではありません。
「もっと近くて同じ家賃の物件が見つかるのではないか」とか
「予算内に収まるようにならないか」とか
「誰かに相談しないで決めると後悔しないか」と質問しているのです。
あなたを頼って問いかけたのですから、その質問に答えてあげてください。
「アプローチ」がしっかり出来ていれば、「好意」や「権威」を感じてくれているので、あなたの答えに大きく影響を受けるはずです。
そして、「情報収集」で得られたエピソードが、お客様からの質問への回答、
つまり、クロージングトークに役立ちます。
「月に一度か二度は、帰りが遅くなってタクシーを使うと仰っていましたが、このお部屋なら、その分は浮きますね」
「奥様と娘さんの安全性が気になる、とのことでしたので、この物件のセキュリティは、予算に替えられないのではないでしょうか」
といった風に・・・・。
下線部は、あなたが「アプローチ」の段階で集めた情報です。
「アプローチ」の段階で「情報収集」がしっかりできていれば、「予想もしなかった反論」が出てくることはないはずです。
駅からの距離とか、希望する設備とか、周辺に欲しい施設とか、、、
お客様の要望を「100%叶えきれていない」部分があることは最初から分かっています。
「分かっていて」お客様は案内に応じたのです。
ただ、「完全に納得」できていないので、最終局面で「抵抗の道具」として出てくるのです。
「それを承知で」見に行ったのですから、それらが「絶対に決められない理由」ではありません。
あなたはそれを予想してきているはずですから、慌てる必要はありません。
反論にも準備しておけるので、余裕をもって対応できるはずです。
お客様からの「決めない理由」という名の質問に対応するテクニックは、もちろんあります。
後編では、具体的なテクニックをお話ししますので、お楽しみに。