こんにちは。
不動産会社の管理を増やすプロフェッショナルの新井昭光です。
突然ですが、あなたに質問です。
手間と費用をかけてまで「オーナー住所リスト」を作る必要があるでしょうか。
答えは「イエス」です。
オーナーアプローチは「行き当たりばったり」では上手くいきません。
今日、断られたオーナーにも、来年は管理を任せてもらえるかもしれません。
あなたが、今年限りであなたの地域での賃貸管理をやめるなら別ですが、来年も、5年後も、その地域で賃貸管理を続けるなら、ターゲットとするオーナーのリストは絶対に手に入れた方が良いです。
そこにダイレクトメールを送り続けるだけで、常にオーナーにリーチがかかっていることになります。少なくとも、あなたが「手を挙げている」ということを、オーナーに知ってもらえます。
オーナーアプローチは、断られたからといって、2度と提案しないワケではありませんよね。1回であっさり任せてもらえるケースは少なく、多くの場合は長いアプローチが必要になります。
何かを郵送するなら、10人でも100人でも1000人でも、手間は「ほとんど」同じです。
しかし、人が訪問するなら、100人にアプローチするのは10人のときの10倍の手間になります。
ダイレクトメールを送るためには、そこに同封する「オーナー向け情報誌」を手に入れなければなりません。
その「簡単な方法」は、後日別のコラムでご説明いたします。
オーナー住所リストの作り方
では、オーナー住所リストの作り方を手順に従って説明していきます。
①物件のエリアを決める
決め方で留意していただきたいのは2点です、
1つ目は、最初から広すぎるエリアを設定しないこと。
「ついでだから、広い範囲のオーナーリストを手に入れよう」とすると、途中で「リスト集め」に疲れてしまって、中途半端で終わってしまうことがあります。
2つ目は、当然のことですが、管理したい物件が多く存在するエリアを選ぶこと。
あなたの会社から半径1kmの範囲を設定したりするのでなく、管理したい物件がたくさんあるエリアを選んでください。
②物件の種別を決める
種別というと、「そんなの、アパートと賃貸マンションに決まってる」
と言われるかもしれませんが、それだけとは限りません。
それは、あなたがオーナーさんに「何を提供するか」で決まります。
たとえば、年数の古い物件にリニューアル提案をしたいなら、
リストにしたいのは「築20年以上の居住用賃貸物件」となります。
古い物件は取り扱いたくないのなら「築15年以内の居住用賃貸物件」となります。
ただし、ライバルも多くひしめいているし、オーナーもそれほど困っていない、
という状況は理解しておく必要があるでしょう。
このように、賃貸管理につながる不動産なら「何でもいい」というのではなく、
ある程度は、あなたの提供する商品によって、管理したい物件の種別が決まってくるのです。
その他にも、
- テナントビル
- 貸店舗・事務所
- 倉庫
- 空き家の一戸建て
- 区分所有マンションの空室
- 空き地
などもターゲットになりますので、しっかりと検討して厳選してください。
③エリアを分ける
エリアと物件の種別が決まったら、エリアをいくつかに分けましょう。
たとえば「〇〇町〇丁目〇番」の単位のように・・・世帯数が適当な数となる単位としてください。
そして、分けたエリアごとに「エリアマップ」と「調査シート」を作ります。
このシートの項目には、
- 所在地
- 物件名
- 種別
- 戸数
- 建物のランク
- 間取
- 空室
- 不動産会社
- 所有者
- 所有者住所
- 電話番号
などが並びます。
④現地へ行く
ここからは、現地に行ってシートへの書き込みや撮影をしていきます
用意した地域調査シートとエリアマップを持って現地に行きます。
現地に着いたら、以下の手順で進めます。
最初に、写真を撮ります。
物件名プレートを一番に撮り、次に外観やエントランスを被写体に捉えてください。
帰社後、撮影したデータは、カナの物件名をつけて、50音別のフォルダに分けてパソコン内に収めて管理します。サイズも600×400ピクセル程度のものでオッケーです。
撮影したら、次に調査シートに書き込みます。
所在地、物件名、種別、戸数は、見たままに記入してください。
建物のランクには、
たとえば、
Aランク 新築同様
Bランク 築5年前後
Cランク 築10前後
Dランク 築15年前後
Eランク 築20年過ぎ
Fランク 築30年過ぎ
のように、あらかじめ社内で定義を決めておいて、あとは現地で「見た感じ」で書き込みます
現地の調査のあとに、オーナーさんを調べるために登記情報をインターネットからパソコンの画面で確認するのですが、不動産登記情報には、「全部事項」と「所有者事項」の2種類があります。
「全部事項」で確認するのなら、このランク付けは不要となります。
構造と築年数のデータが得られますから、見た目の判断は必要なくなるのです。
ただし、謄本代金が1件で約397円となり高額です。
「所有者事項」は、所有者の氏名・住所のみしか確認できませんから、1件147円と安く済みます。
「所有者事項」で調べる場合は、現地でランクを記入してください。
間取りや面積は、外観を見て、各世帯の、ベランダ側の幅と、その奥行きの「間数」を目算で計ります。
あとで、過去に配布された募集図面やネット上の物件と照合して、正確な間取り図や面積を入手するようにしてください。
そのために、業者さんから回ってくる地域の募集図面は「用済み」になっても保管しておくといいのです。
空室は、調査日時点の空室数を把握します。
ベランダのカーテンや郵便ポストでチェックできます。
不動産会社名は看板の業者名を書き込むわけですが、管理か募集か 判明すればそれも書いてください
エリアごとに、現地での調査が完了したら、全体の地図に済印を付けて、進行状況が分かるようにしましょう。
後編では、現地へ足を運ばずに調査シートを作成する方法をお教えします。
お楽しみに。