「95%以上の入居率」を維持するために必要なことは「3つのステップ」に分類されます。
①「物件の家賃と価値のバランス合わせる」
②「物件の「見せ方」と「貸し方」を工夫する」
③「決まるように案内する」
です。
まずは、一つ目の「物件の家賃と価値を合わせる」について。
ご本人は気付いていないことが多いのですが、
賃貸経営をしているオーナーさんは「ある秤(はかり)」を所有しています。
その秤の左側には6つの錘(おもり)が乗っています。
・立地
・建物
・部屋
・設備
・条件
・サービス
という錘です。
この6つの錘の合計が「価値」です。
右側に乗っている錘は何でしょうか?
もうお分かりですよね。
「家賃」です。
そしてこの秤は、
左側の「価値」と右側の「家賃」でバランスをとっています。
もし、空室が長くなかなか決まらない物件があったとしたら、
確実に右側(家賃)に傾いています。
「価値」が「家賃」より軽い状態。
すなわち、「家賃に見合った価値がない状態」となっているワケですね。
現代のお客様(借主さん)は、インターネットで豊富な情報を得ることができますから、
このようにバランスの悪い物件には問い合わせすらしてきません。
「95%の入居率」のためには、まず秤のバランスを合わせなければなりませんね。
では、どうするか?
答えはシンプルで、2つしかありません。
・「左側の錘」を重くする(「価値」を上げる)
・「右側の錘」を軽くする(「家賃」を下げる)
の2つです。
ここですぐに、「家賃を下げてもらおう!」などと考えては絶対にダメです。
家賃を下げたら、オーナーが所有している物件の資産価値が下がってしまいます。
入ってくる借主さんの「質」が下がり、クレームやトラブルが多くなります。
※入居者の質のことを「ヒューマングレード」と言います。賃貸管理にとって重要な概念です。
そして、オーナーさんは入居中の他の借主さんの家賃も下げなければならなくなります。
オーナーさんの収入が減ってしまいますね。
だから、まず順序として、左側の錘を重くすることはできないか?を考えます。
この6つの錘の「どれを」重くするか、「どの順序で」実施するか、
これが「入居率95%の処方箋」です。名医の腕の見せ所なのです。
オーナーが賃貸管理会社に抱いている不満の一番は「何も提案してくれない」ことだそうです。
このような処方箋を一所懸命に考えてくれる賃貸管理会社を、オーナーさんは「頼もしい」と思ってくれるはずですよ。
さて、左側の錘(おもり)を重くするには、どんな方法があるのでしょうか。
次回から、5つの方法をご紹介しますので、一緒に考えていきましょう。