こんにちは。
不動産会社の管理を増やすプロフェッショナルの新井昭光です。
前回、管理物件の入居率を高めるには、「物件の価値を高める必要がある」というお話をしました。今回は、その具体的な方法を5つご紹介します。
本記事は、後編です。残りの2つの方法をご紹介します。
前編はこちら
4.部屋を変える
部屋の模様替えで最初に思いつくのは「壁クロス」です。
これは簡単に、費用も安くイメージを大きく変えることができます。
賃貸物件で選ばれているクロスのほとんどが、白基調で無地のものです。
判で押したように、無難なものが選ばれています。
しかし、住む人をイメージしたら、すなわち「ターゲット」を絞ったら、選ぶクロスは、もっとバラエティ豊かになるでしょう。
たとえば女性ならピンクを選ぶかもしれません。キャラクターの図柄が入ったものを選ぶかもしれませんね。
この例は極端にしても、クロスを変えるだけで大きくイメージを変えることができます。
もし、大きく変えることが不安なら「一面」だけでも雰囲気が全然違います。
ぜひ、試してみてください。
また、大がかりなリニューアル工事を伴いますが、「間取りの変更」も効果的です。
昔、多く供給された3DKの間取りは、現代ではほとんど需要がありません。
3DK相当の面積を求めている層は「カップル」です。
しかし、彼らが望む間取りは2LDKであり、百歩譲っても1LDKですね。
自分たちの希望エリアに、望むような間取りがなければ、”仕方なく”3DKで我慢して暮らしています。
だから、3DKはカップル向けに間取りを変更するか、若者にシェアハウスとして住んでもらうくらいしか活躍の場はないでしょう。(それはそれでひとつのアイディアですが)
このように、残念ながら現在では需要のなくなった間取りがあります。
「貸し方」を工夫するよりも、間取りを変えた方が結果的に収益を増やせる物件も少なくありません。
ただ、この場合のオーナーの説得は簡単ではありませんね。なんといっても大金がかかります。
シミュレーションをしっかりと行い、「やった場合」と「やらない場合」の比較を、5年間くらいの単位で示すと説得力のある提案ができます。
そして重要なのは「コスト」です。
出来る限りコスト削減となるように、労を惜しまずに業者と交渉するのです。
自社ビルを建てるようなつもりで、施行会社を吟味して、コスト削減に真剣に取り組めば、説得力のある提案書になるはずです。
5.建物を変える
お客様(借主)は、建物を見たときに「この部屋に住むか住まないか」の大部分を決めていると言います。
エントランスを通って、通路を歩いて、部屋の前に立ったとき、「ここはやめとこう」と判断してしまうお客様が多いのです。
それほど、賃貸物件の「見た目」は重要であるということです。
この「見た目」を決めるのは、なんといっても「建物の外観」です。
建物の外観(カーブアピールといいます)は、お金をかけなくても改善できます。
植栽や門扉、銘板を変えるだけでも雰囲気がガラリと変わることがあります。
外壁も、部分的に色をつけたり、部分的にタイルを貼るだけで、雰囲気がガラリと変わります。
これらも色々と試して、社内の「成功事例」を積み上げてください。
建物は、長期的にみたら修繕が必要なときが必ずきます。
タイル貼りの場合は異なりますが、通常なら10年ごとに外壁塗装工事が必要です。
これを怠ると「見た目」が悪くなるばかりでなく、建物の老朽化も早めることになります。
費用をケチると、かえって余分な出費を招くことになってしまうので、費用を惜しまず定期的に修繕することをオススメします。
さて、5つのアイディアを紹介してきましたが、
この方法と優先順位は、オーナーの事情や、近隣の実態によって異なります。
医者が患者さんの病状によって処方する薬を変えるのと同じです。
これらを吟味したのに、それでもバランスが戻らなければ「家賃」を下げることもやむを得ないでしょう。
このように「家賃と価値を合わせる」ことが、「95%の入居率」への第一歩です。
ですが、それだけで入居者が決まるとは限りません。次は「見せ方」と「貸し方」です。
それでは次回は、95%の入居率を達成するための「空室の「見せ方」と「貸し方」」についてお話しします。
お楽しみに。