さらに、もう一つの観点は、案内後の申し込み率を高めるための手段を考えることです。
そのためには、部屋を「一目見て気に入っていただく」必要があるワケです。
まず基本ですが、部屋が汚れていたり「臭い」がするのは話になりません。
それを防ぐためには、空いている部屋の日常管理が重要になります。
空室は、いつ案内があっても最適な状態に保っておくべきです。
定期的(7日〜10日ごと)に空室を巡回して、空気の入れ替えと簡単な掃除をしましょう。
埃(ほこり)や臭いを防ぎ、「なんとなく薄汚れている感」を取り除きましょう。
3点セットとして、
・玄関マット、スリッパ、消臭剤
・照明器具
・カーテン
は必須アイテムです。
さらに家具をセットしてモデルルームのように演出します。
これらは空室対策として、もはや当たり前になっていますね。
お客様のために、現場に色々なグッズを置いている業者さんも増えています。
・間取図と巻き尺
お客様にサイズを測って記入していただきます。
その行為は、お客様に本気で住む気を起こさせるでしょう。
・周辺マップ
物件を中心において、生活に必要な施設をマップ上に落としたものです。
このマップは、どこの業者さんでもお客様に一番好評だそうです。
・オーナーからの挨拶
さりげなくオーナーの「ウエルカム」の気持ちを伝えます。
これも「基本中の基本」ですが、外観・エントランスと通路の日頃の整備は重要です。
部屋が整っていても「そこが」乱れていたら元も子もありません。
お客様は外観を見て、通路を歩いて部屋に向かう途中にも目を配っています。
部屋に行く着くまでの過程が乱れていたら、部屋を見る前に「ここはやめよう」と決めてしまいます。いくら室内を準備しても台無しです。
「95%の入居率」は、一つの設備を追加するとか、入居条件を変えるとか、そのような単発の処方箋だけでは難しくなってきています。物件全体での総合力が求められるのです。
さて、4回のコラムを通じて「95%の入居率」を維持する方法を説明してきました。
オーナーに役立てる賃貸管理として、一番分かりやすいのは「入居率」の実績です。
もし、10,000戸の管理物件があったとして、その入居率がいつも99%を超えていたら、
その賃貸管理会社は地域で評判になり、黙っていてもオーナーから「管理してほしい」と申し出があろうことは、容易に想像できますね。
99%は不可能としても、95%という数値は現実的です。
実際に維持し続けている賃貸管理会社さんは、全国に何社も報告されています。
それらはすべて、一朝一夕になった訳ではなく、小さな改善の積み重ねで実現しました。
そのために必要なのは「4つのステップ」です。
1.物件の家賃と価値のバランス合わせる
2.物件の「見せ方」と「貸し方」を工夫する
3.それを、決まるように案内する
4.この提案をオーナーに承諾していただく
ぜひ、「95%の入居率」を維持できる仕組みにチャレンジしてください。