こんにちは。
店舗仲介スペシャリストの坂本です。
今日は、他業種から店舗仲介に参入し、売上を伸ばした会社の事例をご紹介します。
数年前のことです。
私は内装工事一筋でやってきた会社の社長様から、「店舗専門の不動産会社をやりたい」と相談を受けました。
内装工事をやっていると、ときおり「店舗物件は無いか?」という問い合わせをいただくそうで、それなら「店舗仲介→内装工事までを、一気通貫でやってしまおう」と発想されたそうです。
内装工事だけに留まらず、店舗を探す段階のお客様にも営業の入口を広げたいという考えでした。
結果として、店舗仲介会社を一から設立するという、
責任重大なコンサルティングを引き受ける事になりました。
もちろん、
・管理物件 0
・出店希望顧客 0
・社員 0
という某不動産会社さんも真っ青なゼロゼロゼロ案件という厳しいスタートからです。
0から事業を作り上げるわけですから、私にとっても初めて取り組む業務でした。
結論から言えば、
この仲介会社立ち上げプロジェクトは大成功しました。
このプロジェクトの主な成果を4つにまとめると
➀1カ月で顧客数0から200件の新規顧客を獲得
②設立3カ月目で500万円の仲介売上達成
③業界未経験の素人を入社3か月で月額100万円売れる営業担当に育成させる
④初年度で、店舗仲介案件から1.5億円分の内装工事を受注
このような結果になりました。
わずか一年での成果ですから、振り返ってみても私自身が大成功っぷりに驚くばかりです。
もう少し詳しく①〜③を解説します。
④については内装工事への導線という、この企業特有のノウハウになるので今回は割愛します。
➀1カ月で顧客数0から200件の新規獲得
顧客とは物件を借りたい!という方のことです。
新規のお客様を見つける上で、重要だったのは「物件を募集している店舗」を見極めること。
そのために、最も効率的だったのは
「webサイトで物件を募集している会社」を確認し、そこに連絡をするという方法でした。
この方法に加えて、
・飲食店のアイドルタイム(休憩時間)を狙った飛び込み営業
・エリアを絞り、電話をかけていくローラー作戦
を行いました。
この組み合わせで「物件を仲介してほしい」という会社を200件獲得しました。
②設立3カ月目で500万円の仲介売上達成
500万円の売上を設立3カ月で作るというのは、容易ではありません。
しかし、私はこの会社で
「売上を期限内に達成させるために必ず行うべきアクション」という取り決めを導入し、成功させました。
そのアクションは3つからなります。
1つ目は「出店計画が明確なお客様に絞る」ことです。
前述のとおり、月間200件の新規を獲得しています。3カ月間動くと600件です。
しかしこれだけ見込み顧客が多くても、ただ闇雲に連絡をとり物件を紹介し続けるだけでは、成約しません。さらには限られた人数の営業社員を効率的に動かすことになりませんでした。
そこで、
・今期は10店舗オープンが必須
・来期は赤字店舗を3店舗閉鎖、5店舗新規オープン
などと、明確に計画しているお客様のみに絞って提案をすることにしました。
これにより、物出しを行うことの費用対効果が高まったのです。
2つ目は「出店希望エリアでの物上げ」です。
集中して提案をするお客様から希望エリアをヒアリングし、そこに絞って徹底的に物上げすることによって、「まだ見つからないの?」「他で決めちゃったよ」というタイミングのミスマッチを減らしました。
せっかく時間をかけたのに別の店舗仲介に負けると、時間も労力も人件費も無駄になってしまいます。
また、新規事業を早く軌道に乗せるには、成功体験を積み重ねていくことが重要です。
そのため、集中した物上げを行い、顧客満足度とともに、新規事業に取り組むメンバーの士気も高めることに成功したのです。
3つ目「外出先での飛び込み営業」です。
これは足を使った聞き込みと、店舗運営企業との関係性の構築です。
店舗に飛び込み、「この界隈で閉店情報をご存じありませんか?物件を探しています、と話をします。
すぐに、そういった情報が出てこなくとも、定期的に通ううちに情報をもらえたり、人を紹介してもらえたりするようになります。
地味ではありますが、関係性を作ることは極めて重要です。
③業界未経験の素人を入社3か月で月額100万円売れる営業マンに育てる
ここにはとても大切な戦略がありました。
新しく採用した営業社員は、店舗仲介の素人です。
覚えなくてはならないことがたくさんありました。
しかし、業務を全て覚えようとすれば、とても時間がかかってしまい、
3カ月で100万円売る営業マンにするのは難しい。
そこで、逆転の発想で「100万円売り上げるためのアクションしか起こさない」と決めたのです。例えば、店舗仲介を長くやっていくなら必要な同業者との関係作りなどは後回し。
売上に直結する業務以外のことはしない、としたところ結果が出ました。
選択と集中の賜物です。いかがでしょうか。
この方法は数字の大小はあれど、他の会社で取り組んでもうまくいったやり方です。
もちろん、成功する環境として
・関わっているメンバー全員が、本気で取り組んでくれた
・一都三県という比較的、数の多いマーケットで戦った
・社長主導の新規事業であった
という前提がありました。
それでも他の会社でも結果が出る、というのは
再現性が高い、つまり誰がやっても結果が出やすいということに他なりません。
そしてその根幹となる考え方が、今までお伝えしてきた内容なのです。
今回はここまでです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。