これで沈黙を回避する!内見時の移動で話すべきこと5選

不動産賃貸管理業務には、いろいろなノウハウがある。
ヒアリングや、物件の提案方法、クロージングなど、諸々をかなり細かく設定し、お客様に向き合っている。

 そんな不動産会社だが、「内見時の応対ノウハウ」というのは、意外と作成していないケースが多い。

もちろん、お部屋との内見中にどのような会話をするのか、どのように契約につなげ、クロージングするのかをしっかりとマニュアル化している会社はある。
しかしながら、「移動中」の会話においては、マニュアルがスッポリ抜けていることが多いのだ。

これは仕方ないといえば仕方ないことではある。
何故なら、内見というのは、物件の現地で待ち合わせして、一件で終了するケースもあれば、複数の物件を見るために数時間かけて案内するケースもある。

さらには、一緒に電車で移動するケースもあれば、車で案内するケースもあり、状況に応じてさまざまだ。そう考えると、移動中の会話のテンプレート化、マニュアル化は、かなり難しいのかもしれない。

しかしこれは、難しいからと言ってマニュアル化を諦めていいものではない。
この移動中の会話が、営業における重要な要素のひとつであることは明白だからだ。

仲介会社での勤務経験がある方は、誰しもこのような経験があるのではないか。

長時間の移動で内見に向かう際、最初は業務的な話をしたり、質問に答えたりするが、途中から話題が無くなり、もはや自分が営業なのか、ドライバーなのか分からなくなる瞬間。
こういった場合において、特に新人だと、緊張感や、クライアントに対して気後れする部分もあり、どんどん会話が減っていき、なんとなく居心地の悪い空間が出来上がる。

このさじ加減は本当に難しく、移動中に延々とクライアントに話しかけるのも良くない。一方だんまりだと、ただのドライバーか案内人だ。そこでクライアントに不信感を持たれた瞬間、成約率は格段に落ちる。

実際、私もこの内見の移動時間は本当に苦手だった。
特に自分は人見知りのところがあり、関係値のないクライアントにベラベラ話しかけることはできなかった。

しかし、数をこなしていくうちに、なんとなく内見時の会話の糸口や、それに基づく成約向上のコツのようなものを見つけることができた。

今回は、それを5つ紹介する。

1.軽いジャブ打ち

あまりクライアントのプライベートのヒアリングを積極的にはしてはいけない。
あくまで、軽くだ。仕事の内容、趣味、なんだって同じ。軽く聞く。
それもしっかり間を開けて、少しずつ聞き出す。

2.共通点を見つける

その軽い質問のなかで、共通点を見つけ出す。
分かりやすい例だと、出身地などがそうかもしれない。そこまでわかりやすい共通点が見つからないときは、例えば夜は外食が多い営業マンの場合、「夜は外食が多いですか?」というような質問をしてみるのもいい。
多いと答えてくれれば、それで充分だ。そこから会話を膨らませよう。


共通点が見つかるまでは、「ジャブ→共通点探り」を繰り返す。
コツは間を置くこと、そして質問はシンプルな答えやすい質問をすることだ。

 3.会話は7:3の比率で

 共通点が見つかったら、こちらの会話の分量を増やす。営業マン7:クライアント3ぐらいの比率が良いだろう。 ここにきて、ようやく会話の活性化が生まれてくる。

4.自分の話をする

会話が活性化してきたら、おもむろに自分の話をしてみよう。あくまで謙虚に7:3を守りながらだ。
内容は家族のことでも、仕事のことでも、今朝の出来事でもなんでも良い。
過去の自慢話や愚痴はやめておこう。

心理学的に、こちら側がオープンにすると相手からの好感度が高まる、というのがある。
そのため、基本的に自分という存在をなるべくオープンにした方が良いが、あまりベラベラと喋るのは良くない。あくまで気を使いながら、だ。

5.住んだ後の日常をイメージさせる

では、移動中は営業的な話はしない方がいいということなのか?
そんなことはない。移動中にクロージングをするのは大いに構わない。しかし、無理に移動でクロージングをするよりも、もっと大事なことがある。

 それは、クライアントがその物件に引っ越した後のイメージを軽く話すことだ。

例えば帰り道なら、先ほど内見した物件に引っ越したクライアントは、どのような1日を過ごすのか?朝は何時に起きるのか?仕事などにどのように影響があるのか?そういった少し先の未来を想像してもらうのが大事だ。

以上が、私が考える移動時間の会話の方法だ。

念の為伝えておくが、これだけを話せば契約が取れるということではない。
もちろんクロージングは必要だし、丁寧な物件の説明、契約の説明は必須である。

クライアントとの間には信頼関係が必要だ。
信頼を持ってもらうための機会が、この内見の移動中にある。

 
もし会話に手詰まりになった場合、以上のようなことに注意しつつ、自分の心をオープンにしてみると、
これまでと違った成果が生まれるかもしれない。

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